お疲れ様です。6月20日に開催されたツールド北海道市民レースS-4クラスに出走し、優勝しました。今回はその準備とレース展開等を簡単に書き留めたいと思います。
ツールド北海道市民レース
大会概要 | ツールド北海道2022 市民レース大会 (tour-de-hokkaido.or.jp)
本レースは、最上位カテゴリではUCIレースであるツールド北海道国際レースの参加枠5名を決めるための選考レースを兼ねており、最上位カテ以外でもコロナ禍の北海道レースでは、少し特殊なニセコクラシックを除き2022年唯一のロードレースと言えることもあってライダーのモチベーションが高いレースです。
(ニセコクラシックはエントリーフィー峠を超えることができず脚切りされました笑)
コースは7.8kmの周回コースを回るレース、私のクラスは7周で終了です。
スタートしてから前半2分ほどゆるく登り、そこから3分半~4分ちょっとの激坂があり、テクニカルなコーナーを越え残りは平坦基調で途中いくつかの直角左コーナーがあるコースです。
準備期間~前日まで
4月中旬くらいまでコロナに感染やらその他諸々で走行距離ゼロの状態が続いておりシーズンインが大幅に遅れていたのですが、そこからはなんとか距離と練習の質を確保してツールに間に合わせました。
本当はドライブや旅行的な楽しさがあるサロベツ100マイルロード(例年7月開催)での勝利にフォーカスしてシーズンインしようと思っていたのですが、コロナの影響でレースがキャンセルされてしまい、「せっかく今年は練習しようと思っていたのにロードレース無いのか。。。」と思ってツールにエントリーしました。
登攀の難易度が高いレースなので、スプリンター寄りなパンチャーの私には結構キツイコースレイアウトなのと登攀終了後の下り区間が非常にテクニカルで、下位カテゴリーで走ったら駱者に巻き込まれる可能性も高いと考えて当初はエントリーを見送っていました。
エントリーからレースまでは1ヶ月ほどしか無かったので、レース1ヶ月前~2週間前までは時間もしっかり乗り込んで登攀に耐えられるよう4~5分のメニューを多めにこなす。
本来ならレース2週間前を切ったら疲労を溜めないために練習の強度は下げずボリュームを少なめにするのですが、今回は準備期間がオフトレゼロで2ヶ月もないという要素もあったためレース前の月曜日(6日前)までしっかり乗りました。
エリートで優勝したRXの木村さん、シングルリザルトのじてんしゃ本舗の平口くんにはよく朝練でシバいて貰って非常に助かりました。キツいけど。
レース前日に疲労と仕上がりを見る意味でいつも経由しているこばやし峠裏(KOMタイム2分40秒くらい)を90%くらいのエフォートで踏み、心拍の上がり方と脚の具合を確認。全然悪くない。
ライド後に前日受付を終わらせ、ゼッケン、タグ等をなるべくエアロになるように自転車に取り付ける。この取り付け方次第で最大合計3~5Wくらいはゲインできると思って毎回取り付けています。
使用ギアはF52/36-R11/30。リア30は必須なコースです。ウェア類もタイトでアエロながら、快適性が高いPedal Mafiaのプロシリーズジャージを選択。ド平坦ではなく登りで体温上昇が結構有りそうだったので快適に乗り切れるウェアを選択しました。
そして気になる前日飯は家にある野菜で適当に作ったサラダ with ゆで卵2個と、ナスとトマトのスパゲティ大盛り。レース前日はパスタに限ります。
そして、彼女に「勝たない人はビール飲む資格ない。」と宣告されていたこともあり、私のモチベーション(ビールに対する)は非常に高かったです。
当日
当日は朝5時くらいに起床してL玉2個のハムオムレツと白米中盛。これが3時間超のレースならオートミール混合米にしていたかもしれません(個人的にオートミールと白米を1対1で混ぜたものが一番調子いい気がします。)
レース会場の移動車内でコーヒー1杯と業務用スーパーでハマって買っているベルギーワッフルを1個食べ、50分ほどウォーミングアップ。
テンポ強度ベースで数分SST強度、マイクロバーストでL7強度を何度か入れて終了。気温が低い場合はもっとウォーミングアップに掛ける時間は増えていたと思われます。
出走前の気温がまあまあ高かったので、水は気持ち多めに持つようにしました。SiSのスポドリ1本、熱くなったときに体に掛ける・普通に飲む用の水をボトル30%分くらい持ちました。2時間ほどで終わるレースのため、保険として補給はジェル1本だけ持ちました。
レース展開
シーズン初戦の道新杯で集団後方スタートして落車やら斜行やらのカオスに巻き込まれてしまったので、今回は早めに並んで最前列に整列。同クラスで集団の先頭で今年一緒に走ってきた方々も前の方に並んでて安心しました。
今レースで最大のライバルになると持っていたRolling Hills CyclistのKさんが後ろの方でウロウロしているのを、先頭に並んでいた他のRHCの方が呼んでKさんも無事先頭整列。各レースで存在感を示して、集団内に知合が多いとこういうときに助かったりするんですよね笑
事前の作戦、考慮すべき要素としては、
・登攀がキツすぎて多分集団らしい集団は形成されない
→スプリントには自信があるので最後クライマーとマッチスプリントになった時点で超有利
・急勾配区間を4分で登りきったらついてこれるのは数名くらいしかいないはず
→集団絞ったほうが落車リスク軽減できるので最初に集団を絞る
・ダウンヒル区間(頂上通過~右直角コーナー出口)は追い越し不可能なレイアウト
→最初のコーナーは先頭~4番手以内で通過しければそのまま右クランクまで同じ車間距離が維持されるので圧倒的不利
・平坦区間が意外と長い
→登りがメインディッシュ過ぎて見落とされがちだが、各コーナーの処理と平坦区間でいかに消耗しないかが結構鍵な気がする
・補給は3周目登攀終了~5周目登攀前のどこかで摂る
→結果的に5周目上り前で食べました
以上のことを頭に入れてスタート。
スタート直後にRHCのNさんが0kmアタック。結構な勢いだったので、これに乗って登攀終了まで行けたら多くて5人、うまく行けば2人くらいで走れると思ってすぐさま先頭に出て登り終わりまで4分300W/60kgちょっと上くらいで登る。

登り終わりではやはりマークしていたKさんがしっかりついてきていたものの、登り終わりの数Mで踏み直してダウンヒルの初速を稼いで下りに突入。連続コーナー終了地点で後続が遠くなっていたので、「こちらは2時間逃げ切るペースで踏んで、後続を追わせる展開にしたら次の登りまでに回復が追いつかなくて相当美味しい状況が作れる」と思って先頭を一人で先行。

7km地点あたりで後続(Kさん、RHCのHさん、サウスパックのOさん含む)5人ほどに追いつかれるも、後ろもやはり追い付くのに脚は使っていたようで表情はあまりフレッシュな感じはしない。

1周目終了・また登攀開始というところでどなたかが「このペース続けるの?!」と言っていたが登攀前に呼吸を整えたかったので僕は返答なし。誰も返答なし。
心の中で「そのとおりでございます」と回答。

2本目の登り口で360Wくらいで踏み、2周目登攀半分辺りで前の上位カテBクラスの集団に追いついてしまう。上位カテはなんと俺の息の掛かった大学の後輩が3名も走ってるので、その集団に追いついてジョインしてしまったらとんでもなく俺に有利になるぞ・・・しめしめ。と思って登り中腹で合流。普段メシを奢っている効果がこういう所で出てくる。
しかしBクラスの登攀ペースが遅くて、狭い道で並んで走行していたため結果的に蓋をされてしまう形に。とは言え、既に同クラスは3名ほど?しか登りでついてこれずに散っていたためそこまで悪い展開ではなかった。というか2分先にスタートして集団形成している上位カテの先頭に追いついてしまうとは何事。。。

登攀終了は最初のコーナーを先頭で入りたかったので少し踏み直し、下り区間は安全マージンをしっかり取って走行。ここでも下りで若干差が開き後ろもいっぱいいっぱい感があったので引き離しを決意。

下り終わり~平坦部はFTP前後で踏み続ける。前から降ってきたエリートの方々を目掛けてオーバーテイクしていき、途中でBクラスの逃げ先頭ネイサンと合流。そこからは兎に角後続とのタイム差を維持して淡々と平坦部はSSTよりキツイくらい、登攀部はFTPやや上で下り区間でしっかり休んで踏み続ける。
5周目まではタイム差は1分ほどで推移していたものの、Bカテ集団にジョインしたRHCのKさんが集団のメリットを利用してしっかり追い上げてきた。一番タイムが縮まった所で5周目の上り前、25秒ほどに後続が迫ってきていた。
Kさんが単独で追っているにしてはタイムの縮まり方が早すぎたので、Bカテの大学の後輩たちが回してるな?これは。。。と勘ぐる。
これでもし全員引き連れて追いついてきたら「大学の後輩にメシ奢るのもうナシにしよう…」と思いながら走行。頭の中は「お前はどっちの味方だ!」状態。

登攀区間に差し掛かると集団のメリットよりも個人のPWRの方がウェイトが大きいのでタイム差が再び開く。登り終わりでまた1分弱のタイム差に。
ここでの私は「負けられないんだ」状態。

5周回終了時もタイム差を維持できていたので、6周回目の登攀も淡々と。このあたりで脚を釣りそうになったので下りで脚をつっぱるような動きはせず、脚を回さなくていいときに筋肉を揺すって少しだけ気持ちを紛らわせる。
7周目登攀が終わればほぼ勝ちは決まるはず、と考えて7周目の登攀も頑張る。結果的に7周回とも4分プラマイ5秒くらいで毎周回登攀していた。7周目のダウンヒルを追えてラスト4kmほど。後ろを見ても追ってくる人は見えなかったので勝利を確信。
足をつったりコーナーで変に攻めすぎて残念なことにならないよう、最終周回はコンサバティブに残り距離を消化。最終コーナーを抜けるころには勝利を確信してガッツポーズ。
(残念ながら誰も撮影していなかったっぽくて写真ナシ。。。悲しい。。。もしどなたか写真持ってたらいただけると嬉しいです涙)
結果的に事前考慮していた点、
・下りは先頭突入
・平坦部はタイムを稼ぐよりも上りに備えてしっかり休む
・各コーナーはいい位置で楽をする
・このコースは兎に角追わせるほうが有利
以上がかなり支配的だったと思います。補給はぶっちゃけなくても良かったけど、水分はしっかり取っておいて良かったです。
最後になりますが一緒に走ってくださった方々、大会関係者の皆様、応援に来てくださった皆様、朝練でシバいてくれる方々、ありがとうございました。
考察
久々のビールは旨かった。