こんにちは。前回の記事でシリアスにトレーニングして、体を絞ったレースでぼろぼろにされて意気消沈していた私ですが、今回は打って変わってわいわい楽しむライドに参加&レース観戦してきました。今住んでるメルボルンから車で1時間位なので、お手軽に観戦参加できました。
オーストラリアに来た理由のうちの一つの、「世界トップレベルのレースを観たい」がここで叶ったわけです。日本で最高クラスのレースと言えば、UCIアジアツアー超級クラスのジャパンカップなどがありますが、このカデル・エヴァンス・グレート・オーシャン・ロードレース(以下GORR)は、名だたるモニュメントやワンデーレースと同じUCIワールドツアーのレースです。ヨーロッパを除く地域で開催されているレースでこのUCIワールド・ツアーが開催されるのは、
・オーストラリア(TDU、GORR)
・カタール(ツアー・オブ・カタール)
・UAE(アブダビツアー)
・トルコ(ツアーオブターキー)
・アメリカ・カナダ(ツアーオブカリフォルニア、グランプリシリーズ)
・中国(ツアーオブハイ広西)
の6カ国のみ。ワーホリビザのとりやすさやら色々と加味すると、オーストラリアでの観戦が合理的な選択となります。アジアに住んでると、なかなか世界トップクラスのレースって見れないんですよね。
レースの真面目な概要はWikipediaの記事や、私がTABIRINさんに寄稿した記事を見てもらうとして、ブログではとりとめのない感想や「ココがスゴイよカデル・エヴァンス」を語ります(ブログで書いている文のほうがちょっと興奮気味です)。
GORR直前の市民レース(というよりかはライド)の参加費はたった149ドル。日本円にして約10000円程度です。登録すると、結構質のいい大会専用ジャージやらボトルやら色々もらえるので、かなり安い印象です。ジャージなんて普通に買えば1万円は越えますからね。
大会直前に運営から届く小包

“FIND YOUR GREATNESS”(自らの偉大さを確認せよ)
カッコいいじゃないですか…

大会ジャージもさわやかでいい感じ。グレート・オーシャン・ロードの海と空をイメージした濃い青と水色のツートンカラー。
ライド後のフリーマッサージも付き、フリーの補給も付き。そして何よりプライスレスなのは、カデル・エヴァンス氏とのライド。GORR直前のピープルズライドは、何を隠そう2010年ツール覇者カデル・エヴァンス氏と一緒に走れるライドだ。
カデル・エヴァンスの何がスゴイって、世界選手権を勝って、ツールも勝って、クラシックのワンデーレースでも勝ってる選手なんて歴代でも数えるほどしかいないということと、当時ドーピングの話題で悲しくも賑わっていたサイクルロードレース界暗黒期(詳しく知りたい方は、映画『疑惑のチャンピオン(原題:The program)』
を観ていただければ当時のサイクリング業界がドーピングに侵されていたことがわかる)においてクリーンであり続けた選手というところ。
まずは選手としての凄さから。現在現役で、
・ハイカテゴリーなクラシックレースで勝てて
・グランツールで勝てて
・世界戦で勝てて
・しかもロード転向前はMTBの世界戦で勝っちゃったり
なんて選手いないんですよ。チームイネオス全盛期の今どきのサイクルファンはおそらくカデル・エヴァンスの名前を知らない方もいると思いますが、とにかくスゴイ。今で言う(ずっと昔からいますが)バルベルデ師匠のような感じ。

パリでの男泣き表彰台は忘れられない。

ライド前日の大会ブースでカデルコーナーがあって、ちょっと並んでお話したんですが、なんとも穏やかで紳士的な方でした。興奮気味で、「だ、大ファンです!日本から来ました!2010年のツールのタイムトライアル感動しました!」と伝えると、「わざわざ遠いとこからありがとう。明日のライド、短くなっちゃって残念だけど楽しんでね。(Tシャツに書いてあったボードマンという文字を見て、)ボードマンか、いいバイクだよね。僕はBMCをおすすめしたいけど…(笑)」と気さくに話してくれました。

やだ、ファンになっちゃう(既に大ファン)。
大会前日の街はレース大歓迎ムード。ホテルやカフェの前に幟や看板がぎっしり。

全体会覇者や。

巨大ディスプレイや

町中にもカデル!
宿に到着するとゼッケンをジャージにつけて戦闘モード。ジャージにゼッケンをつけるとなんだか気分あがりません?

ライドは115kmに登録したものの、当日は大雨強風に加え、雹が予測されたため、115kmコースは危険と判断された下りおよびそれに付随する登りがカットされ、76kmに短縮されました。
レースと言うよりはライドと記述しましたが、ライドの1位フィニッシュにはカデルとのプライベートサイクリング権 + イタリアコモ湖(イル・ロンバルディアのフィニッシュ地点)1週間旅行という豪華賞品つき。参加者の3000人の殆どはファンライド派ですが、先頭の4,5集団ではバチバチのアマチュアロードレースが展開されます。スタート前の集団先頭の方は熱気ムンムン。戦闘集団です。

僕は余裕でちぎれました。最初の1時間は集団の中でも平均289W出てました。わけが分からん。走り方が下手なのか、みんな宇宙人なのか。こっちのレース、要求パワーが高すぎて手も足も出ないんですもの。
そこそこ速い集団でフィニッシュし、あとはもうお楽しみモード。
フリーマッサージを受け、

コーヒーを飲み、

ライドを楽しみました。どろどろでも楽しい!

プロのレース観戦についてはまた後日。