【オーストラリアハーフラウンド 54日目 最終目的地・ダーウィン到着】

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【オーストラリアハーフラウンド 53日目 燃える朝焼け】

昨日の夕方にバスに乗り込んで、アリススプリングスを出発してから約10時間が経過した。誤字ではない、10時間だ。日本でいえば、新宿バスターミナルを出発した夜行バスが青森駅に着くような時間だ。それでもまだ私はアリススプリングス-ダーウィン間のスチュアート・ハイウェイを半分も進んでいない。参った。グレイハウンドバスは物理法則ですら捻じ曲げてしまうのか。

28時間の移動ともなると、バスのドライバーも2回交代することになる。1度目のドライバー交代は早朝(人によっては深夜)で、交代の感の1時間は各々外で待つことになっていた。せっかくなので、外に出て空の写真を撮った。退屈なバスの中ではフレッシュな空気を吸って外の写真を取るだけでも非常にいい気分転換になる。することがなさ過ぎて彫刻を彫ることにハマる囚人の気持ちがすこしだけ理解できた。

そして、またバスの中で永劫とも感じられる時間を過ごす。退屈な景色、何があるわけでもないガソリンスタンド、汚いシート、繋がらない電波、なんども読まれた文庫本、バス旅が楽しくなりそうな要素が皆無だ。あまりに暇なので、自己の状態をメタ的に認知するための瞑想法を試してみたりもした。これはすこしためになった。

いくつものガソリンスタンド、長い長い荒野を抜けて、ようやくダーウィンの街にやってきた。もう疲労困憊だ。疲れて言葉も出ない。あなたは柔らかくないシートの上で28時間も座っているという体験をしたことがあるだろうか。本当に苦痛だ。エコノミークラスでロンドン-新千歳間を移動する身体的苦痛・精神的苦痛の和を10としたら、アリススプリングス-ダーウィン間のバス移動はおよそ70ほどだろう。

この異常な疲れを癒やすため、すぐさまダーウィンのホステルにチェックインして眠ることにした。おやすみ、ダーウィン。

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