【コラム オーストラリアのガソリンは種類が多すぎる】

スターバックスのトッピングのバリエーションの多さに辟易してしまったことはないだろうか。私はある。膨大すぎるメニューの中から自分の好みのコーヒーを注文するには六法全書を暗記できるような人間でないと不可能だろう。エスプレッソ、コーヒー、ティー、フラペチーノメニューがそれぞれ20種類ほどあり、さらにサイズが150種類ほどあり、さらに70億程度のトッピングバリエーションが存在する。エスプレッソはコーヒーではないのか。私はただカップ一杯のコーヒーが飲みたいだけなのに。

果たして全てのメニューが注文されているのだろうか?そんなことはないはずだ。せいぜい4,5種類のコーヒーと、サイズはS, M, Lの3つがあれば足りるはずだ。私はいつもアメリカーノのMかカフェラテのMしか注文しない。もっともサイズの名前はミディアムなんて分かりやすいものではないのだが。全てを選択可能にしても選ばれなければ意味がない。

そしてこれが動画の話に繋がる。オーストラリアには約100種類ほどのガソリンの種類がある。鉛を含む古代の燃料は置いておいて、無鉛ガソリンだけでもそのくらいあるはずだ。今回私が借りた車の燃料キャップには、Unleaded petrol onlyと書かれていた。分かった。無鉛ガソリンを入れれば良いのだな。ところが、日本のレギュラー、ハイオク、ディーゼルという簡潔なシステムに慣れた私はガソリンスタンドで立ち尽くすことになった。

無鉛ガソリンはオクタン価に応じていくつか種類があるらしい。今回私が給油したのは、ULP91と書かれたガソリンだった。この91はオクタン価を示しており、数字が高ければ高いほどガソリンの質が良い。今回は91だったが、おそらくULP0~90までのナンバリングが存在するはずだ。E10なんてガソリンもあったので、Eナンバリングも存在するのだろう。なんともおぞましい。

もしあなたが海外でガソリンを給油しなくてはならなくなって、アルファベットが読めないとしたら?安心して欲しい。オクタン価の高い燃料をエンジンに供給して壊れるという事象はないだろう。迷ったらとにかく数字の高い燃料を入れれば良い。味の分からない荒くれ者に高級ワインを注いでる気分になるだろうが、それで喧嘩沙汰にはならない。逆にオクタン価の高い燃料にしか対応していないエンジンに91などを吹き込めば、車は壊れないだろうが間違いなく調子が悪くなる。美食家に500円で買えるワインなんて振舞ってしまったら、その後の関係は冷え込むだろう。そしてもちろん、ディーゼルだけは注意が必要だ。

しかしながら、この国の道とドライバーはとても気に入った。誰もが110km/hで走るし、基本的に多くの日本人より運転がうまいし、プリウスは少ない。ガソリンはペットボトルに入った水より安い。ブルーマウンテンズからニューカッスルまでの峠道を可能な限り飛ばしたが、法定速度を越える前に死を覚悟しなくてはならないようなコーナーが沢山あって楽しかった。もっとも、死を覚悟したのは型落ちの韓国車に乗っていたからなのだが。

ともかく、オーストラリアの素晴らしい道を運転しない手はない。狭く、信号が5cmおきに設置してある日本の道に慣れた人がオーストラリアに来たら、全ての道がルート66に見えることだろう。

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