昨日下記のルートで400㎞ライドをしてきたので、個人的な備忘録としてブログに残しておきます。個人で見返すようなので文章は分かりづらかったりすると思いますが、似たようなことをしようとしている変な人がいたら多少のヒントになるかもしれないので公開できるブログで。

まえがき
Contents
まずなぜこのようなライドをしようと思ったかを説明する。このライドは来年アンバウンドグラベルに出走するための補給作戦の予行演習という側面が強い。
アンバウンド本選の200マイルは、プロクラスの最速タイムで10時間弱、アマチュアのクラスでのボリュームゾーンが14時間~17時間である。
しかしながら、当たり前だがそのような時間レース強度を保って補給をしっかりした経験なんてなかった。しいて言うなら、学生時代にツーリングでワンデー360㎞ライドをしたことがあるが、こちらは昼寝もはさんだり、昼休憩はしっかりお店で食べたりと時間に追われる要素もなかったし強度もかなり低かった記憶がある。
そのため、今回グロス15時間前後、ライド時間14時間前後で走り切れそうなコースを選定して、
・補給作戦
・装備決定
・その他もろもろライド前には気づかなかったTipsなど
を洗練させるべく実験した。
本番には時間、強度に加えてグラベルの上の振動、メカトラという要素もプラスされて苛酷になる。このくらいのライドは簡単に終えなければ。
ルート
ルートはStravaの有料機能で作成した。実際に走ったルートと共通なので、ログを掲載する。また、ルートの作成とサイコンでのルート表示は間違いなく必須。道調べで無駄な時間がかからないのと、思考停止してルートに従ってればいいので集中力が途切れにくい。
極端にきつい登りは組み込まず、なるべく70㎞おきにコンビニがあるようにルートを設定。道南の北檜山地方なんかはコンビニの間隔がめっちゃ長かったりするので。
装備
バイク:Ribble Endurance SL R Disc
ホイール:Hunt Aerodynamisict 44 carbon
サドル:Fizik Argo R00
ハンドル:Level 5 integrated
タイヤ:コンチネンタル GP5000S TR
ライト:前後Lezyne Pro
バイクセッティングはいつも通り。普通にロード乗る時と一緒。エアロで硬いわりに突き上げがかなりすくなくていいバイク。
ライトは少なくとも3時間は使えるものを。日没+3時間あれば18時間はあるので、さすがにそれまでにはフィニッシュできるはず。
サドルバッグ内:
Co2ボンベx2、Type-Aケーブル、Lightningケーブル、スマホ1回充電できる分のモバイルバッテリー、Co2インフレーター
普段のライドで持っていくものプラスバッテリー類。トラブルがあった時の保険として。
バックポケット:
TPUチューブ2本、3~6mmアーレンキー、タイヤレバー
普段と違うのはチューブが1本多いくらい。
携帯補給食:
自作ライスケーキx6個(推定230kcal/個)
この日のために作った補給。これ以上はジャージのポケットがはちきれそうでもてなかった。
ヘルメット:Kask Utopia
ジャージ:Pedal Mafia Tech
シューズ:Shimano S-phyre RC903
エアロ重視のヘルメットで。快適性を重視してValegroという選択肢もあったが、エアロでライド時間を数分でも減らしたほうが最終的にはいいかなと思って。トイレを考慮してジャージは普通のセパレートタイプだけど、レースの日はポケットありのワンピースでいいと思う。ロングライドではエアロはかなり正義。
準備・・・?準備。
装備以外にぶっちゃけ準備らしい準備はしていない。前日カーボを大量摂取しておけばよかったと後悔。普通に鶏肉とビール飲んでました。脱水を引き起こしやすいビールは問答無用にNG。やっぱコメ。
当日ライド開始前~コンビニストップ1回目(150km)
朝は大量のオートミールとバナナ、コメをおなか一杯になるまで。補給作戦は1時間あたり200~300kcalをしっかり継続して食べること。摂取する水の量は気温などで上下するのであまりこだわらず。1時間当たり2/3本~1.5本を目安に摂取することにしていた。スタートは朝4時ごろ。
コンスタントに補給食を食べ続けた。早朝なので風は無風。無風のうちにアベレージ速度を稼いで100㎞地点でアベレージは34km/hほど。最大パワーは360W。フラットなパワーでいい感じ。まあレースだったら360Wなんて絶対あり得ないけど。
150㎞の最初の補給ストップ地点でアベレージは32km/h。序盤100㎞はやや下り勾配なので速かった。アベレージ31を超えればライド時間が13時間を切るのでとりあえずはそれが目標。そうしたらグロスも14時間を切る。
何もしなくても45㎞を超えるようなくだりではスーパータックで速度を稼ぐ。足を使わずに加速できる場面は無駄にしない。
2セット(150㎞~245km)
1個目のコンビニでおにぎり3個、だいふく1個を購入。あとおにぎり1個をその場で食べた。あとはアクエリを買ってボトルに詰め替え。
170㎞を超えたあたりで風が出てきた。強風ではないものの、如実に感じる向かい風。
まだこの時は足が回っていたものの、200㎞を超えたあたりで空腹を感じ始めた。超やばい。30~32kphで走っていたら補給は完ぺきだったはずなのに、向かい風のせいで時間計算がずれてしまった。次のコンビニまで残り25㎞地点。最寄りのコンビニまで戻るわけにもいかず、軽度の低血糖を引き起こすことを覚悟で次のコンビニへ。補給は十分していた(250~300kcal/hour)はずなのだが、それでも足りなかったか。それか、もっと消化のいいものを食べるべきだったかもしれない。もしくは脱水もあった?
245地点のコンビニで用を足した時の尿の色は別に濃くなかったの脱水の線は薄いか。。。
後半低血糖でペースが落ちたせいで、245km地点でアベレージは31km/h。まだ目標圏内。ただ一度低血糖になったことで次の区間で苦痛を味わい、なおかつペースが下がることは必至。。。その通りになったのだが。
3セット(245~330)
つらいってもんじゃなかった。今まで胃に負担をかけないように250~300kcal/時に制限していたが、低血糖が回復するまでもうなりふり構ってられないのでとりあえず食いまくる。
チャーハンおにぎり2個、チーズハムブリトー。
食べてすぐ回復するわけじゃないので回復するまでゆっくりでも乗ってるしかない。風も向かい風でほんときつかった。
あと、のちから気づいたことだけど低血糖時は痛みが増幅されている気がする。サドルとハンドルからの衝撃が結構苦痛だったが、持ち返した第4セット内では全然気にならなかった。
330㎞地点到着時点でアベレージは28.6。あーやっちまった。でもしょうがない。本番じゃなくてよかった。本番ではこんなミスは起こさない。
第4セット(330~406)
330㎞地点のコンビニでカフェイン注入(セブンコーヒーR)。多分これがめっちゃ効いた。あとはなんか普通のものを食べた。梅何とかおにぎりみたいな。別に好みでもなかったのあんまり覚えてない。残念ながらラストのセブンではわらびもちとレモンのアレは売ってなかった。
ここまで来たらジェル系orわらび餅のような消化が超早いものを食べてもいいはずなので、結構楽しみにしていたのに。
カフェインの覚醒効果のせいか、血糖値が正常に戻ったせいか、意識がかなりクリアに。踏める。
1セットで言ったように行は下り勾配だったため、帰りは上り勾配。それでも血糖値が戻ればどうとでもなる。踏めるからね。
第3セット時は10㎞移動するまで体感時間がとてつもなく長かったけど、今は10㎞は瞬く間に消費されていく。残り3桁キロを切ると気持ちが超楽なのもある。
そんなこんなで最後はまあまあ踏める状態で帰れた。
とはいえ、死ぬほど疲れた。
持って行ってよかったもの・やってよかったこと
エアロヘルメ:間違いなく今日の正解はエアロヘルメット。Protoneがあればそちらでもよかったかもしれない。
PM Techジャージ:パッドの品質がいいビブは必須。軽さと快適性に振っているTechシリーズをチョイスした。
750mボトル:500mlボトル換算で3本分水を携帯できる。重宝した。
綿密な補給作戦:前半10時間は固形物を、1時間250~300kcal/hourで食べる作戦。結果的に一度低血糖を発生させて踏めなくなったものの、作戦自体は間違ってなかったと思う。水分も十分。後半はわらびもちやジェル系も食べた。
普段使いなれている装備全般:機能や使い方がわからないようなアイテムや、実験的なアイテム、補給などは外して走った。
後半のカフェイン:あまりやりすぎると脱水を引き起こすのでご法度。でも効果はあった。ここぞというときに。
電解質の取りすぎ注意:海外ロングライド系の記事を調べると、いろいろな記事で電解質を取りすぎた状態で脱水症状に陥ると幻覚が見えることがあるらしい。体内の体液濃度、pHが正常値から乖離し、一種のショック状態に陥るらしい。念のため注意して前半は電解質、脱水に陥りやすい後半は水を積極的に摂取した。
ほぼ無休憩:休憩はグロスタイムを増やすのと、アンバウンドでは多分そんな休憩なんてとらないと思うので休憩は極力削った。コンビニでは補給を買ってボトルに飲み物を移し替えて、あとはトイレを済ませるくらい。どっかり座って補給的なことはしなかった。400㎞の間で合計3回のみのコンビニストップ。途中、公園の蛇口で水を汲んだりもした。
持っていけばよかったもの・やっておけばよかったこと
前日のカーボローディング:間違いなく必須。ライド消費カロリーが7000kcalを超えるので、ライド中の補給だけでは間に合わない。
朝食のMCTオイル:完全に忘れてただけ。うっかり。
エクステンションバー:オンロードだと必須だと気付いた。圧力がかかる場所を分散できるし、少ない労力でエアロを稼げる。相当の時間パピーパウポジションで過ごしたのであったら間違いなく大きな恩恵があったはず。グラベルだとどうだろう。
前日のウォーターローディング:前日ビール飲まない。
痛み止め:今回は何もなかったけど、全身が痛むグラベルだと重宝するかもしれない。
厚手のバーテープ:それほど問題はなかったけど、OGKの薄手バーテープはロングには合わない。普通の厚さのものだったらもっと楽だったはず。薄手が生きるのは高強度で6時間未満の時かな。
3Dプリントサドル:なくてもいいがあったら絶対楽。既にPower with mirrorを注文済。
その他メモ(箇条書き)
ガーミンはフル充電で一応15時間持った。まだバッテリーが少し残っていたので、16~17のどこかで切れそうな具合だった。
関節の痛み等は全くなし。シューズの擦れなどもゼロ。素晴らしいよシマノ製品。低血糖時のサドルの痛みと手の痛みのみ。でも低血糖が治ったら全然痛まなかったのでそれほど注意しなくてもいいかな?
とてつもなく疲れたけど、数日間乗れなくなるような疲れではなかった。乗る気はしなかったけど翌日150乗れと言われたらまあ乗れるくらい。Unbound出たら翌日は観光したいのでこれは結構重要かも。
気温は早朝で16度~日中で27度。この気温だったら半そでジャージだけで問題なかったけど、雨が降ったりしたらレインジャケットも必要になるかもしれない。
