9日目が最高の日だとすれば、その次の日は最悪の日だった。
レンタルバイクは3日間予約していたのだが、iPhoneの天気予報が言うには、2日目3日目は強い雨が予想されるらしい。せっかくの台湾旅行なので、多少雨が降ろうとも自転車には乗るつもりであった。雨が降ろうと強風であろうとレースが中止されることはまずない。学生時代にツーリングをしていたときも雨なんて気にしないでずんずんと旅程を突き進めていたくらいなので、雨耐性は並以上にあると自負していたのだが、「バケツをひっくり返したような」という言葉がぴったり嵌りそうな大雨のに打たれて開始の10kmで私の心は折れた。
ホステルに戻り、1日をブログの執筆やその他のタスクを消化して終えようかとも考えたが、せっかくの台湾滞在で引きこもりをするのももったいないので、ぶらぶらと街に出てあてもなく観光することにした。地下街であれば豪雨であっても不快にならない。
ずぶぬれのサイクルジャージを洗い、もちろん自身もシャワーを浴びてから街に繰り出した。どんより鉛色の空だ。

台湾食い倒れ旅の記事で度々言っていることだが、実に、実に台湾は日本らしい。雰囲気が日本と変わらない。人々の振る舞いもそうだし、街にあふれている家電製品や車もそうだ。トヨタ、ニッサン、マズダ…
日本(とりわけ東日本)を旅したときに実感したのだが、北海道民が思う以上に北海道のブランド力が高い。たとえ鹿児島であっても、ソフトクリーム屋さんでは「北海道産牛乳使用!」という幟がはためいている。そんなもの家に帰ればいくらでも手に入る。私が食べたいのはマンゴーやその土地の特産だと言うのに、どうしてそんなときまで地元に引き戻されなければいけないのか。
これと同じことが台湾でも起こった。たしかに、一的には沖縄とそれほど変わらない位置関係だが、ここまで北海道ブランドの魔の手が迫っているとは考えないだろう。台湾には乳牛が居ないのだろうか。私にとっては台湾産!と書かれている方が100倍は魅力だ。

さらには、私の実家から自転車で日帰りできる距離にある小樽という文字も目に入った。ピンポイントすぎる。

北海道ブランドの魔の手から逃れて、宿の近くの屋台が軒を連ねるストリートを歩いた。小腹が空いたので、なんだかわからないが、小麦をつかったパンのような食べ物を買ってみた。

「簡単!少油!負担少!」なんとなく意味はわかる。
70円ほどだったが、セブンイレブンの肉まん2個ほどのボリューム感があった。結構お腹にたまる。油っこさも感じないのでライド中の補給にも適しているかもしれない。
お腹を満たしたらなにか飲み物が欲しくなる…のだが、台湾ではコーヒーは下火なのか、あまりコーヒーを売っているカフェは見つからない。そのかわりに、ミーハーの代名詞であるタピオカミルクティ屋なら各ブロックに1つ以上はある。

50嵐… 五十嵐?イガラシさん?

ノーシュガー、氷少なめのミルクティを頼んだ。でも甘い。絶対砂糖入ってる。関係ないけど、タピオカミルクティを見るとサンショウウオのタマゴを思い出すのは私だけでしょうか?

とても内容の薄い10日目、終了。