【台北食い倒れ旅行 1日目】台湾初入国!

「ひょんなことから」というと大して推敲されなかった少年漫画の始まりのような感じがするが、ひょんなことから私は台湾に13日ほどの旅行に行くことになった。台湾出身の友達に「台湾に遊びにおいでよ」と言われたので、持ち前のフットワークの軽さで旅行に行き、台湾に13日間滞在することを決めたのだ。図らずとも、モラトリアムを再開してしまった私にはこの誘いはおあつらえ向きなように感じられた。

台湾旅行 初日

自宅から新千歳空港までの道のりを語ったところで、読者諸君にとっては退屈極まりない駄文になるはずなのでそこは省くとしよう。台北桃園空港に到着したところから話すこととする。

私が台北の地を踏んだのは2019年6月1日であり、日本では初夏という言葉が似合う季節である。その実この年の5月は、真夏に引けを取らぬ気温が北海道内で多数観測されるという、初夏らしからぬ初夏であった。そのような暑さの中で北海道から南下しようと考えるものがいるとすれば、彼の頭蓋骨の中に本当に脳みそが詰まっているのか疑うべきであろう。5月のはじまり頃、自転車で走行中に点灯して左鎖骨を骨折したにもかかわらず北海道から沖縄を通り越して台湾までなんかしようとする人間には脳みそどころか脊椎があるのかすらも危うい。実際に鎖骨は機能していない。

新千歳空港から4時間のフライトを終え、飛行機の脇に接続される通路からターミナルに移動しようとすると、アジア特有の「むわっと」感が体を包み込んだ。30度を超える高い気温と、同じく高い湿度によって不快指数は指数関数的に上昇していく。しかしながら、私はこの異国に脚を踏み入れた感覚がたまらなく好きだ。うだるような暑さと不快な湿気も、喜ばしいものに思えてくる。

入国審査場までゲートの案内に従っていき、いつもどおり適当に入国カードを記入してから台湾の入国審査ゲートを通った。ゲートを通って、ギリギリ7kgを超えてしまって受託手荷物になってしまった私のリュックを探した。日本の入出国はやや厳しい。これまで行くどもバックパックひとつで飛行機に乗ってきたのだが、それまでなら融通を利かせて搭乗させてくれるものの、今回はうまく行かなかった。どうせ預けるなら髭剃りも持ってくればよかったじゃないか、と思ったが終わってしまったものは仕方がない。輸送中に電子機器が全く壊れなかったことを良しとしよう。

バックパックを回収し、次は観光に必要なものを揃えるために空港内をぶらぶらとうろついた。空港から出る前に揃えておきたいものは、まず2点。滞在中に使うSIMカードと現金だ。Arrivalの案内に従っていくと、必然的に目に入るような場所にSIMカードを売っているコーナーがあるので、そこでSIMを調達するつことにした。どこの通信会社も日にちあたりの料金設定は同じであり、金額で差別化はされてなかった。オーストラリアやイギリスを旅行したときはキャリアによって結構な料金の差があったので、どこで買っても失敗した気分にならないこのシステムは嬉しい。15日間700元データ制限なし(約2200円)のSIMを購入し、適当にATMを見つけて現金15000円分ほどを引き出して町中に繰り出す準備を整えた。

SIM

台湾桃園空港から台北市内に行くにはいくつか方法があるようだが、事前に友人から「MRT(台北の地下鉄)で来て!」と大変ありがたい助言を頂いていたので、空港ターミナルでMRTという看板を見つけてからは思考停止状態でその看板の案内に従って歩き、MRTの乗車口に向かった。

MRTの乗車チケットを売っているコーナーでは、日本で言うSuicaのような、交通系ICカードの悠遊カードを購入することができる。

利便性を考えると必需品というべき代物なので、早速購入するため、カード販売機に並ぶことにした。「空港に隣接した施設だし、クレカさえあれば買えるだろう」と思っている読者諸君、残念。なんとこの販売機では現金しか取扱していないのだ。しかも、おつりなしシステムなので、販売機の真横にある両替機で事前に現金をちょうどいい額まで崩して置かなければならない。販売機の横にはATMもあるのだが、現金販売機システムのおかげでATMの需要は増す一方であり、激混みのATM、両替機、カード販売機に何度も並ばなければいけないという、RPG序盤のお使いイベントのようなことを強要されるのだ。あなたが短気なゲームプレイヤーならこの時点でこのゲームを投げ出すだろう。

MRTの改札の手前にタピオカミルクティーショップがあったので、人生初のタピオカミルクティーを飲んでみることにした。ファンシーなドリンクはあまり飲まないタイプだが、せっかくだから飲まなきゃもったいない。ストレートティーを頼みたい気持ちをぐっとこらえてオーソドックスなタピオカミルクティーを注文した。

味は、まあ、美味しい。450mlくらいのカップで手渡されたので、すぐ飲み切ることが出来ずミルクティーを片手にMRTに乗り込もうとすると、係員らしき方に話しかけられた。中国語で話しかけられたので、英語で中国語は話せない旨を伝えると、たどたどしい英語とジェスチャーで「there, no. here, okay.」と言っていた。どうやら台北では改札の先での飲食は禁止されているようだ。教えてくれてありがとう。

ゲートを超えてからこちら側では飲食禁止

一悶着を終え、私はMRTで台北駅へ向かった。空港から駅までは約30分ほどで、私は車窓から日本とも他のアジアの国々とも似つかない面白い景色を眺めていた。

空港から市内までをつなぐ電車

植生に限って言えば日本の(といってもかなり独特だが)沖縄に似た植生のようだ。外の景色をスマートフォンで撮影していると、バッテリーが少なくなっていることに気がついたので充電をしようとザックの中をまさぐるとあることに気づいた。私はアイフォンの充電器を家に忘れてきていた。なんと間抜けなことだろうか。ぜひ罵倒してくれ給え。旅行で荷物を忘れる愚か者がここにいるぞ。アイフォンのバッテリー問題は死活問題だ。可及的速やかに充電ケーブルを入手する必要があると考えながら、台北駅の構内を乗り継ぎのために歩いていると、幸運なことにスマホのアクセサリショップを見つけた。これは運命か。100元でやるきが極限値まで無い店員から充電器を購入した。

友人が待つ芝山駅までたどり着き、駅の構内から空の下に出てようやく台北の外の空気を吸うことができた。このとき既に時刻は16時を回っていたのだが、まだまだ気温が下がりきらなずにむわっとした空気があたりに漂っていた。ただ、街の雰囲気は日本にどことなく似ている。香港に行ったことがあるのだが、かなり日本寄りな雰囲気を感じ取ることができる。

駅前にはレンタル可能なyoubikeも設置されていた。これについては、またどこかで使用方法などを詳しく説明しようと思う。

宿に腰を落ち着け、友人と外食をするために夜の台北に繰り出した。さて、待ちに待った台北1回目の食事だ。メニューは台湾スタイルの鍋。

スープが混じり合わないように、中央に仕切りがある。一方は超辛そうな色のスープ、もう一方はそこまで辛くなさそうなスープだ。これに日本の鍋と同じように具を注文して放り込んでいくスタイルのようだ。味は… 今まで食べたことのない味だ。今まで食べたことのない味というと、好みでないものに使う言葉にように思われるが私はこれを大いに気に入った。真っ赤な方のスープも、超激辛で舌が痛くなるというわけではなく、多量のスパイスによって舌がびりびりと麻痺したような感覚に陥る。そして、超激辛ではないもののやっぱり結構辛くて汗がナイアガラ瀑布のごとく額から滴る。そして、なぜだか手が止まらない。ウマイ、ウマイ。度々見てもよくわからない具がスープの中に投入されていたが、味は美味しかった。材料もわからない、味をなんと表現して良いかもわからない、けどとにかく美味しかった。

帰りはタクシーを利用したのだが、タクシーの車窓から見る夜の台北は少し興味深く、大変恐怖を感じる。あまりにスクーターが多いせいで、まるでグランツールのパレード走行をしているコミッセールカーのような気分になるのだ。怖いぞ。以下の写真なんて、スタート地点前で逃げを決めたいアシスト選手のような風貌ではないか。

台湾旅行1日目、満足満腹で終了。

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