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【オーストラリアハーフラウンド 51日目 地球のへそ、エアーズロック】
エアーズロック見学の感動も抜けぬまま、翌日の朝を迎えた。今日はやることがある。とってもやりたいことがある。3日ほど前にスーパーマーケットからの帰り道でレンタサイクルショップを見つけてから、頭の中にずっと居座り続けて離れることのなかった考えだ。私の頭の中の議席は満場一致で荒々しく訴えている。「そろそろ自転車に乗らせろ。」と。
アリススプリングス市内にあるレンタバイク屋(もちろん普通に販売もしている。)で24時間MTBをレンタルすることにした。詳細な借り方については私は寄稿した記事(TABIRINさん)の方に詳しく載っているので、実際的な方法についてはそちらを参照されたし。
TABIRIN 【オーストラリア】アウトバック最大の都市アリス・スプリングスでトレイルライドを楽しむ旅!
私がこの記事で説明したいのは、アリススプリングスでのトレイルライドがいかに素晴らしいかである。これから私の可能な限りでの表現手段をもって訴えようではないか。

アリススプリングス周辺のサイクリングコースは大まかに分けて2つある。市西部のアラルエン方面と、市北東部のジョイントジオロジカル方面だ。
アリススプリングス周辺のトレイルルートは、非常に優しいことにルートがわからなくなりそうな荒野や、シングルトラックの轍が確認し辛い場所には杭が立っており、コースが確認しやすい。また、トレイルルートに入る直前の道にはどのようなルートがあるのか書いた看板が立っており、非常に至れり尽くせりだ。日本でトレイルを探そうと思ったら、国土地理院の味気ないwebページと数時間にらめっこをして、さらにはgoogle mapの航空写真と膝を突き合わせて数時間は過ごさないと、素晴らしいトレイルを見つけ出すことはできない。しかしここではどうだろう。何も確認しなくとも、ただトレイルの前にある看板を見るだけだ。なんと素晴らしいことだろう。
朝の10時に自転車をレンタルし、最初の3時間はジョイントジオロジカル方面、後半はアラルエン方面をサイクリングしてきたので、順を追って写真と共に魅力を書いていこう。
バイクのレンタル手続きを済ませ、まちきれない私はすぐさまジョイントジオロジカル方面へ出発した。大量の水とパンク修理キットはもちろん忘れていない。ヘルメットとアイウェアを身につけ、サドルにまたがり、ペダルを足で回し始めると、私の内分泌系はアドレナリンを分泌し続け、心臓の鼓動は早まり、そのポンプによって押し出された血液は私の足をさらに動かそうとする。素晴らしい。やっぱり自転車は楽しい。すでに大興奮だ。知らない土地でのサイクリングというのは、他のどんな遊びよりも私を笑顔にさせる。これ以上の遊びを私は知らない。
アリススプリングス周辺のトレイルで見られる景色は本当に壮大だとしか言いようがない。まるで火星の地表の上でサイクリングをしたらこんな景色が見られそうだ。真っ赤な大地に、ゴロゴロと転がる岩石。この景色は絶対日本では見ることができない。そしてこの興奮も日本では味わえないはずだ。(100均スマホスタンドを使ってちょっとばかり興奮している私を撮影してみたので見て欲しい。)
あまりに興奮してしまって、競争相手がいるわけでもないのに全速力で最初の20kmほどを駆け抜けてしまった。おかげで、水は大量に消費するわ、足は攣りそうになるわで大変だったが、荒涼とした大地を全力で駆け抜けていると自然と広角が上がる。一番生きていると感じる瞬間だ。
ジョイントジオロジカル方面のライドを2時間ほど楽しんだ後、一度ホステルに戻り水分補給と休憩をした。40度を超える気温と熱射により、水分の消費量は冗談抜きで通常の5倍ほどに登る。普通のボトルに加えて、バックパックに2Lの水を積んでいったが、計3L ほどの水は1時間半でなくなってしまった。さらに、それで足りたかと問われば間違いなくNOだ。喉が乾くのを承知で、しかしながら飲みすぎてしまうと3Lは一瞬にして消えてしまうのでセーブしながら水を飲んでこの量だ。あなたが夏のアウトバックでサイクリングをするなら、熱中症対策は万全にして欲しい。容易に気を失うほどの危険が溢れている。
エアコンの冷気で涼みながらコーヒーを啜った後(やはりサイクリストはコーヒーが大好きだ。)、アラルエン方面に繰り出してみた。アラルエン方面は、ジョイントジオロジカル方面と比較して、景色はそれほど壮大でないものの、非常にテクニカルなコーナーや上り、下りが多く点在しており、上級ライダーを興奮させそうなレイアウトだ。私は実際興奮してしまった。先程のライドでかなり疲弊していたので、体重移動や上りでのパワーが思うように出ず、非常に苦戦したセクションが非常に多い。私のようなMTB初心者がいきなり訪れると何度もクラッシュすることになるだろう。まあ、クラッシュはMTBの一部のようなものなので仕方がない。
夕日が暮れる前にホステルに帰ってきて、このようなビデオを作った。100均のスマホスタンドとiphone純正のソフトウェアだけで作ったにしてはそこそこの出来だと思うので、ぜひ鑑賞していかに楽しそうか見て欲しい。本当に楽しかった。私がこの記事で書いてきた「アリススプリングスでのサイクリングがいかにたのしいか」というのがここに詰まっている。