2018年の11月頭から12月頭にかけてオーストラリアを旅行していた。これから数週間に亘って、私がした旅の記録をここに残しておこうと思う。インスタグラムやツイッターでは投稿が断片的すぎて、旅の全容がつかめないため、このような場で語らせていただくことにする。海外旅行をしてみたい方や、暇つぶしにブログを読みたい方なんかには有意義な記事となるはずなので、コーヒーを片手にでも読んでいただけると嬉しい。なにせ、私の文章は濃くてながったらしいようだ(友人談)。
それでは、時計の針を2018年の10月に戻そう。
【オーストラリアハーフラウンド 0日目】
退職の手続きを済ませた私は、少しばかりのお小遣いを貰った夏休みの小学生のような気分だった。長い期間ではないものの、真面目に働いていたので少しではあるがお金は溜まっていたし、無期限の休みがあった(再就職のあてはないが)。辞める前から海外旅行には興味があったので、とりあえず航空券を予約することにした。
渡航先を選ぶ要因としては、優先度順に、
1.楽しそうなこと
2.英語圏であること
3.合計金額が安く済みそうなこと
の3つほどであった。1の理由から、近場のアジア圏は却下した。アジア圏なら3連休ほどあればどこ国でも行けてしまうし、文化が非常に似通っている(特に韓国や台湾は殆ど同じだと聞く)ため、今回は行かないことにした。次に、2の理由でかなり絞り込んだ。英語圏と言えば、アジア圏の英語を話す国を除けば、USA、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、カナダくらいしかない。そして、3の理由で物価、航空券が比較的安いオーストラリアを選んだ。はっきり言って、目当ての観光地は無かった。
10月の退職後、iphoneのスカイスキャナーアプリで航空券を予約した。電話番号やメールアドレスなどのプロフィールを作成しておけば、10分ほどで作業が終わり、こんなに簡単に予約できちゃうの?と思ってしまうくらいの労力で予約が完了する。フライトは11月2日に新千歳を発ち、成田経由で翌日の早朝にオーストラリアの玄関口、ケアンズに到着する便だった。便を確定させた後はブッキングコムを利用して1週間分ほどのホステルを予約した。殆どの工程で、一泊の目安は日本円にして2000円ほどで宿は取っていた。イギリスでバックパッカー旅行をした時よりは少し安いくらいだろうか。たまに朝食付きのホステルもあるのでありがたい。
次に、最も重要なオーストラリアを回るときに使う交通手段の予約をした。調べてみると、オーストラリアのほぼ全土(主要都市で言えばパース以外)をカバーしているグレイハウンドバスが最も安そうだった。一定期間中、グレイハンドが運航するバスに乗り放題のパスチケット(whimitpass。おそらく、without limitからつくられた造語。)が約2万~という価格で買える。私は観光もして、現地でいろいろ遊ぶ予定だったので、約4万5000円ほどだった60日間のパスをネット上で購入した。バスの中で寝れば宿泊費もかなり浮くし、何より私は陸に魂を縛られたオールドタイプなので、陸路での移動というものが非常に魅力的だった。かくして、現地のインフラ的な要素は殆どスマホ上で抑えた。
スマホ上で可能な旅の準備を終え、次はハード面での準備に取り掛かった。持って行った荷物を次に示す。画像や説明はこちらの投稿で確認されたし。
バックパック(マムート クレヨン 35L)
ナップザック(100均)
セキュリティセット(ワイヤーロック、南京錠x2)
ジップロックx3(電子機器用、石鹸用、予備)
洗面具(速乾タオル、シェーバー、歯磨き粉、歯ブラシ)
電子機器類(スマホ充電器、ミラーレス一眼カメラ、スマホ、変換器)
衣服(Tシャツ3枚、パンツ4枚、デニム、チノパンツ、短パン、レインウェア、パーカ)
小物類(カラビナ3個、ボトルホルダー、洗濯物干し紐)
サングラス
貴重品(クレジットカード、現金、パスポート、国際免許証)
バス寝セット(アイマスク、空気で膨らますネックピロー、エマージェンシーシート、サンダル)
ヘッドライト
文庫本
地球の歩き方
全部まとめて一つのバックパックに入れて、合計重量は6kgだった。自転車の重量よりも軽い。よく驚異的な軽装だといわれるが、旅は身軽さが命。必要のないものは本当にもっていかなかった。余談だが、2ヶ月旅をして持っていけばよかったと思ったものは、レストランに行く用の襟付きシャツと、ノートPCくらいだった。ノートPCは結構致命的だった。
準備を終えたら、あとはガイドブックやネットでひたすら情報収集してオーストラリアへの期待を膨らませていた。情報収集では基本的に地球の歩き方、トリップアドバイザー、インスタグラム等のSNSをメインで見ていた。この先何が私を待っているか分からない不安感と高揚感に沈んでいく気分だった。